煩悩と惰性。

適当に日々思ったこと綴るところです。

乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris- 感想&批評。

公式HP。
http://www.project-navel.com/otomeriron/index.html

Navelの新作「乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris-」をプレイしましたので感想でも。
なお、前作「月に寄りそう乙女の作法」のアペンドディスクについての感想も記載します。
その「月に寄りそう乙女の作法」の感想はこちらから。

先に記載しておきますと、推奨攻略順は「エッテ→メリル→りそな」ですかね。

※以下、ネタバレを含みます。


・音楽。8点。
新曲だけをカウントするとBGM15曲、Vocal曲は3曲。
前作「月に寄りそう乙女の作法」がありますから、新曲数は少なくとも総じて十分かと。どれもずっと聞き続けられるような良い曲でした。特に耳に残ったのは、前作OPinst版の「DESIR」と妙なかっこよさを感じる「ゲルマニズム・ミニマル」ですね。ちなみに曲名は楽しいです。クリアしたら音楽鑑賞を覗いてみるといいかも。


・絵。9点。
CGは乙女理論で64枚、アペンドで36枚、計100枚。ヒロインが3人とはいえ、乙女理論側は少々少ない印象ですが、許容範囲内かと。ただ、個人的にはメリルの枚数が多くて大勝利ですが、りそなについてはシナリオが長かったこともあり若干寂しい印象も受けました。あと、エッテさんはシーンで顔芸するのはやめましょう。エロくする気がないだろスタッフめww
アペンドは逆にシナリオが短いため、非常に豪華なCG配置になっております。アフターストーリーだからか、本編よりも遊び心の多いCGが多くて大変楽しめました。


・システム。8点。
Configは充実、skipもシーンごとにとばしていけるため非常に高速です。セーブなどの各種操作項目は隠れますし、総じて優秀。ただ、惜しむらくはバックログからのシーンジャンプがないことでしょうか。


・演出。7点。
立ち絵は動かず。ただし、立ち絵をかなり下のほうに持ってきて倒れていることを表現したり、画面脇から覗いていたりといった演出はあり、満足してます。


・声優。10点。
全体を通じて問題なし。むしろ好きな声優さんが起用されていて私としては嬉しい限りです。


・共通ルート。9点。
終わってみると、ひとえにりそなの成長物語でした。ひきこもりで他人と関わりを持ちたがらない彼女が兄の手を借りて社会で生活していけるまでを描いております。己の意思が変われば世界も変わっていくという軸を持ちながら、丁寧に世界が広がっていくのを描写しきったのは素晴らしいです。伏線の撒きかたも大変よかったです。
惜しむらくはキャラクター、特にサブキャラクターのの魅力が前作よりもやや薄い印象が拭えなかったことでしょうか。八千代・サーシャ・北斗・七愛の4人分をディートリンデ・リリアーヌ主従が埋め切れていなかったですね。リリアーヌについては仕方がないところもありますけれど。特にこれを強烈に感じてしまったのはりそなルートで桜屋敷の面々がパリへ来た時でした。どうしても「華やかさ」では一歩も二歩も劣ってしまうんですよね、パリ校の方々は。


・りそなルート。7点。
結束した遊星・りそなが大蔵家の家督問題と服飾の道の二つに向き合っていく物語でした。共通ルートではキャラクターたち己の内面と戦う部分が大きかったですが、こちらでは他人との関わりがメインとなっておきます。
このルートは衣遠兄様との和解とその後の二つに大きく分類されますが、明らかに前半のほうが盛り上がり、後半は失速した印象を受けました。衣遠はその優秀さ・性格・権力の面から非常に手強い難敵であり、しかも我々プレイヤーが納得できるだけの理由をもって行動していましたが、後半の敵としての役割を担うリリアーヌは手段・動機の両面で非常に矮小な存在なんですよね。元々、大蔵家という大財閥の行方と遊星&りそなの夢ではスケールに大きな差異がありましたが、この差を縮めるどころかよりわかりやすく表現してしまう敵の存在は大きなマイナスでした。妙に後味が良くないんですよね。大蔵家にしても、衣遠兄様さえ乗り越えたらあとは総裁殿は単純すぎましたし、金子はいきなり手のひら返しますし。うーん。
ただ、りそなが成長していく過程を描ききったのはお見事でした。エピローグの遊星が引っ張りだこになる場面は難関辛苦を乗り越えてきた結果を悠然と表していますし、終盤にりそなが周囲の人々に働きかけて服を完成させていく場面なんかは成長を見せ付けられました。大変良かったです。
また、衣遠の立場からこのシナリオを俯瞰すると面白そうですね。やはり彼は最初から「才能こそ至高」という理念だけで生きていくことは出来ないということを悟っていた気がしますね。その上でその理念に頼らねば狂ってしまうということを理解し受け入れざるを得なかったのでしょう。悲しいことです。


・メリルルート。8点。
メリルたん可愛い。彼女は才能と性格という両面から最も完成されたキャラクターでした。大蔵の血を継ぐ者を健全な環境で育てるとこうなるらしい。恐ろしい血統ですね。
シナリオについては、敵として駿河のキャラクターが強く反映されており、一言でまとめるなら「優しい世界」でしたね。大蔵家が絡んでいる以上、ブランケット家との関係で服を作らないといけないんだ!という展開が余計だったんじゃないかとも感じましたけど・・・まあ、服飾を絡めないと共通ルートは何だったんだということになりますし仕方がない。

しかし、衣遠が服飾の世界を目指した理由、JPスタンレーの言葉が最も美しく表現されていたシナリオでした。それは朝日とメリルの二人だからこそ出来たことであり、この作品の肝ですね。


・エッテルート。3点。
りそなルート前半と共通でした。故にエッテルートなのに大蔵家ばかりがクローズアップされてエッテが出てこないという不思議。BADエンドとの違いはエッテと結ばれるか否かの違いのみ。色々と不遇すぎませんかエッテ嬢。製作時間が足らなかったのだろうかと邪推してしまいますねこれは。
加えて、エッテが朝日の正体に気がつく流れも不自然極まりないですし。朝日とりそなって二人きりなら日本語使ってたんじゃないの?エッテはそれを聞いても理解できなかったんじゃ・・・。前作の湊&瑞穂より酷いぞこれ。
ただ、そのシーンについてはとても笑わせてもらいました。顔芸しすぎです。はっちゃけすぎです。「パリったあい!」は名台詞。心に刻ませてもらいましたw


・「月に寄りそう乙女の作法」After story。8点。
乙女理論をやった直後というのもありますが、桜屋敷メンバーの騒々しさは見ていて非常に楽しかったです。つり乙をプレイして楽しんだ人なら必見といっても良いのではないでしょうか。量的には一シナリオにつき2時間程度、キャラ崩壊が少々アリ。その分楽しいです。
当然のことではありますが、各ルートのED後の世界で話が進むので、どのような設定で終えたかは思い出しておくと良いでしょう。私はそれをせずにプレイ中にやや混乱しました。要注意。


・総評。

良作以上。
衣遠の思想、大蔵家など、前作にて描写が不足していた部分にスポットを当てた「良い作品」でした。

ただし、前作を越えているかと問われると、頷くのも難しいところではあります・・・がしかし、エロゲの平均値を大きく上回る質を誇る作品であることは間違いなく、時間があれば手に取るだけの価値がある作品であると思います。
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