煩悩と惰性。

適当に日々思ったこと綴るところです。

世界と世界の真ん中で 感想&批評。

公式HP。
http://www.lumpofsugar.co.jp/product/sekachu/index.html


Lump of Sugarの新作、「世界と世界の真ん中で」をプレイしましたので感想でも。

ここの過去作品は「いつか、届く、あの空に。」、「タユタマ -kiss on my deity-」、「タユタマ -It’s Happy Days-」、「花色ヘプタグラム」をプレイ済みです。

推奨攻略順は伏線回収ということを考えると「愛良→美紀→小々路→遥」ですかね。ただし、どれか一つが大団円というわけでもありませんので、好きなキャラクターから攻略しても問題ないでしょう。


※以下、ネタバレを含みます。


・音楽。10点。

BGM29曲、Vocal曲は3曲。量的には十分。
個人的な感想ですが、大川茂伸氏の作るBGMは適度に主張されつつ出過ぎない音なので大変に好みです。Vocal曲はOPED共にKiccoさんという鉄板構成。文句があるはずが無い。


・絵。9点。

CG101枚(メインヒロインが22枚ずつ、その他が2枚、人物が描かれていないのが11枚)、SDが5枚。
CGの実質枚数は90枚ですね。分量は十分だと思いますし、実際にプレイしている中で不足を感じる場面はありませんでした。
立ち絵はメインヒロインで服装が実質2-3種類、姿勢は全員2種類と数字にするとやや少なく感じますが、腕が大きく動くのと極稀にしか出てこないもの(愛良の超テレとか)があってボリュームを感じることができました。敢えて挙げるなら美紀の寝巻き姿は欲しかったかな、という程度です。

質については「花色ヘプタグラム」からの進化を感じました。崩れている場面などは見当たらず安定していますし、制服や髪飾りを見ればわかるとおり非常に華やかですし、塗りも綺麗ですし、満足度は高めです。画集としてだけでも購入の意義があると思います。


・システム。8点。

Configで特徴的なのは16:9と4:3の解像度が選べることでしょうか。ウインドウでプレイする人は4:3を選択すると、常時メッセージウインドウが消えた状態の画面で楽しめるからいいかもです。skipの速度はそこそこ、全体を通じて不満に思うような要素は見当たりませんでした。
この作品特有の要素としてConstellation episodeというのがありますが、正直余り意味は無いのかなと。独自機能をつけるという行為そのものは評価したいのですが。


・演出。7点。

場面に応じて立ち絵の明度が変わるなど、完成度は高め。不満に感じるところは無いと思います。
ただしスクリプトはあまり組まれておらず、遥の尻尾とラビエルくらいしか動きません。ラビエルに全力を注ぐスタッフの愛情に笑いが止まりませんw 次回作では本編でもキャラクターが動くことを期待したいところ。


・声優。10点。

一切の不満なし。特に美紀役の春乃いろはさんという方が良かったです。
名前を聞いたことの無い方が殆どですが、声オタな方々によって名義とかは解明されるんですかねぇ。


・共通ルート。5点。

ひたすらストレス要素を排除し、優しい世界を表現しています。天球儀の存在も徐々に明らかにされていき、導入としての役割は十分に果たせております。エルデシュでの生活を楽しみましょう。
ただし、日付の感覚などが薄く、ぶつ切りの場面の連続のように感じられるのがネガティブ要素でした。シナリオを構成する伏線や設定はしっかり繋がっているので、明確な問題点として浮かび上がっているわけでは無いんですけどね。もうちょっと肉付けが欲しかったかなと思うところです。

あと、遥先輩は他の娘と比較すると出番が少なすぎる・・・ような・・・。ちょっと不憫。


・小々路ルート。5点。

今作の鬱要素担当は小々路さんでした。Lump of Sugarは時々ハッピーとは言い切れないエンドを用意してきますが、ヒロイン死亡というところまで踏み込んできたのは結構すごいことだと思います。萌えゲーだよな、これ。
主題は親子愛と小々路の病気となりますが、共通ルートと同様に場面が慌しく変化してしまうため、シリアスなテーマを扱う割には重くならず。これを魅力が減じているととるべきか、鬱要素を軽くする効能があったととるべきかは悩むところ。個人的にはもっと腰を据えて描いてもらいたかったところではありますね。
例えば、野外でエロいことをやっていた場面から15クリックで遥先輩がいなくなってしまう場面になる性急さや、唐突に一切の前触れなく小々路の鍵が出てきて触れたら全部思い出すというのは、いくらなんでも他にやりようがあったのではないかと。

キャラクターの魅力という点では、小々路は幼女ボディをしている割に精神的には自立しているので、ロリコン向けではないのかなと感じました。実は兄妹ではなかったという事実が発覚しても、恋人になっても連理をお兄ちゃんと呼び続けるあたりはLump of Sugarさんわかってるなぁとw


・美紀ルート。8点。
主人公の気を惹くために必死になる美紀さんが可愛すぎて私は萌え死にました。勢いと羞恥心のあるアホの子最高です。本当にLumpさんはわかってらっしゃるwww

シリアス方面は解離性同一性障害――二重人格が主題でした。大切な人との離別を美しく描くネタとしては良いものを選択したなと思います。天球儀の世界だからこそ起こる奇跡、イイと思います。
なお、多重人格はエロ方面でも美味しい設定でございます。ごちそうさまでした。


・愛良ルート。6点。

愛良さんマジ聖女様! というのは置いておくとしまして。彼女も相当な高火力で脳が融けます。依存心の強い子可愛い。

シリアス要素は他ルートと同様、鍵屋が唐突にキーアイテムを渡してきて急展開という荒々しいものですが、歌に関しては共通ルートから伏線が張られており許容範囲内ですかね。エピローグはやや説明不足な印象。他のルートでは天球儀ワールドから他の世界へ旅立つなんて設定がありましたから同一の人間が同じ時間軸に複数の世界には存在しないと思うのですが・・・ここだけは平行世界として認識するべきなんでしょうか。
それにしても愛良のいた世界の政府は自国民に平気で洗脳実験を行ったり悪の組織すぎて怖い。怖い怖い。


・遥ルート。5点。

世界観の説明などが一番しっかりされていたルートでした。展開の荒さは相変わらずですが慣れればどうということは無いはず・・・ただ伏線回収ルートであるため、各種設定に統一感が無いというのを強く感じさせられてしまったのはちょっと痛いですかね。数学者の存在意義もなんだかなぁと思ってしまうところ。
ただ、当たり障りの無い要素だけではなく、数学を盛り込んできたのは評価したいところ。数式をガッツリ書くというところまで行かず、香り付け程度に抑えているあたりも扱いが巧いと思います。
私的な要素を絡めて恐縮ですが、大学で数理論理学を修めた身としては、エロゲで踏み込むのはこのくらいが良い按配だと思うのです。一階述語論理とか語りだすと何がなんだか分からなくなりますしね。私は他人に説明できる自信ないです。

キャラクターの魅力としては、じんわりと良さを感じられるタイプで、他の高火力娘たちと比べるとやや地味かなと感じるところです。噛めば噛むほど味が出るタイプ。


・総評。

良作。

花色ヘプタグラムから順当に進化し、より高品質になりました。2014年はまだ1月しか経っていないですが、今年の主力萌えゲーになれるだけのポテンシャルはあると思います。

シナリオは場面の連続性が薄い、設定は努力の跡が見られるものの作品の魅力までは繋がっていない、根幹の部分で問題点が残っております。しかし、CGの質の向上、楽曲数の増加、良い声優さんのラインナップ、高い威力のヒロインたち、小々路ルートに見られる挑戦的な姿勢、そんな姿勢の中にみられるリスクヘッジのあり方など、良い部分はたくさんあります。
シナリオゲーを求める人には不向きですが、心癒されたい人には是非とも薦めたい作品ですね。
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